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論文紹介

自動的持続陽圧呼吸療法(auto continuous positive airway pressure)管理中に脈圧、低呼吸指数が上昇し大動脈弁閉鎖不全が判明した睡眠呼吸障害の1例.

Published on 2月 15, 2024

1分

著者:松吉秀武 医師, 後藤英功 医師, 山田卓生 医師

出典:耳鼻と臨床 66巻3号: 74-78, 2020

概要:CPAPを使用することにより無呼吸、低呼吸を制御できていたにもかかわらず、脈圧と低呼吸の上昇を来たし、大動脈弁閉鎖不全と診断された比較的まれな睡眠呼吸障害の1例を経験したので報告する。症例は63歳、男性。昼間の眠気を主訴として受診。簡易無呼吸検査にて無呼吸低呼吸指数が41.1でありCPAPを開始した。約4年後より徐々に脈圧と低呼吸の上昇を来した。原因は大動脈弁閉鎖不全と、それに伴う左心不全と考えられた。さらに睡眠中に臥床状態となるため、下肢から心臓に戻る静脈還流が増加し、肺がうっ血状態となり、肺における迷走神経を刺激し、過換気反射を誘発した。このためPCO2が減少し、呼吸を刺激するレベル以下になり呼吸中枢が抑制され、低呼吸が増悪したと考えられた。CPAP使用中の症例に対して、無呼吸の経過を診るのみではなく脈圧、低呼吸に変動がないかを慎重に診ていく必要があると考えられた。

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